妖怪うぃき~現代にも現れる妖怪達~

妖怪……いるんですよ、現代にも。現代で起きた、妖怪達の目撃情報を紹介いたします。

放置しすぎて更新する気概も無いので、図鑑の方に統合し始めてます。過去の記事も一部図鑑へと移しているので、妖怪うぃき的妖怪図鑑の方へお越しくださいませ。

魍魎の筐 ~警察と妖怪その3~

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魍魎(もうりょう)

 

 

――テレビって、何の為に存在してるか知ってますか? 何の事は無い、広告を見せるためですよ。昔はそう思わせない工夫だったり、各番組の内容がしっかりしてた。でも最近は放送局側が受け身ですから、ただスポンサーの言いなりになるだけです。CMも随分と幅を利かせるようになってきた。だからみんなテレビを見なくなってきている。

お金さえ出せば何だって流せてしまう、お金さえ出せば何だって封じ込めることができてしまう。例えば子供に多額のお金を使わせて問題になったソーシャルゲームだって、多くの自殺者を生んでる消費者金融だって、平然と笑顔を振りまいてCM流してるでしょう? どう考えたってあんなの流すべきじゃないんです。でも莫大なお金を貰ってるから、流すしかない。……そういう世界なんです。

僕等みたいな局側の人間は、いかにテレビがウソを流しているか、いかにウソを流しやすいか――ということをよく知ってますよ。ニュースもまた然りです。あんなの……と言ってしまうのもあれですが……結局はただの映像と音声に過ぎません。ほんの少しの編集や加工で事実なんていくらでも捻じ曲げられます。リアルタイムに思える中継ですら、です。

更に裏の黒い繋がりだとか、仕組みだとかも知ってる。そういうのを知ってしまった上で働くとなると、もう自分のしたいことだとかは封じ込めてただ上の命令に従うしかなくなるんです。その結果――つまらなくなる。

 

そういう事に比べると、妖怪が関る報道規制なんて随分甘いほうだと思います。いや、甘いと言うよりは、シンプル、ですね。当然、局の者全員が知っているわけではありませんよ。恐らくは一人か二人。ただ、薄々感づいてる者は多いでしょう。何しろ、実際に妖怪がバッチリ映っちゃってることもありますからね。しかしそれを規制し、無かったことにする仕組みは中々周到でして。

念を押しますけど、他言無用で頼みますよ。首が飛ぶじゃ済みませんから。

――で、仕組みですね。あなたが言ったような、警察との関係とかは解りませんが、それでも確かにどこかからの絶対的な圧力は感じます。

例えば、事件を取材している際に妖怪が映りこんでしまった場合――こういう事は極稀ですが起こるんです。そうすると、どこから監視しているのか、すぐに上層部に連絡が来るみたいで、プロデューサー経由ですぐにその映像が加工、編集され、妖怪は無かったことになります。面白いのが、その映像を見てしまった局員全員に、口止め料が出る事ですね。これが不気味な程の凄い金額でして――まぁこれはいいでしょう。とにかく絶対に口外しないようにと念を押されるわけです。あと、金銭以外にもしばらくの間監視されるとかも聞きますが、僕の経験では監視されてるような感じは無かったですね。あぁ、そうです。僕も数回妖怪の映像を見ちゃってますから、貰ってますよ。お蔭で家のローンが随分捗りましたよ。

 

そしてたまに、急ぎの現場でろくにチェックもせずに映像が流れてしまうことがあります。この時も必ず規制の連絡は来るんですが、間に合わずに流れてしまうケースですね。当然、すぐに関連ニュースは流れなくなりますが、どうしてもネット上の掲示板等で騒がれてしまったりする。しかしそこも抜かりなく、ちゃんとネット上でも監視されてるらしいんですね。よくオカルトな掲示板なんかで、すぐに報道されなくなったニュースなんかは話題になるらしいんですが、そこでもサクラのような形で介入して鎮火するようです。あくまでもこれは噂ですけどね。

一般の方が目撃してしまった時用には、UMAという形で処理をするみたいです。未確認生物ってやつです。なんでもアレに関わる機関に、日本のある組織が献金しているとか。妖怪ではなく、UMAのせいにしてしまうんですね。一度だけ、妖怪が映りこんだ映像が流れ、数日後にUMA特集としてその映像が使われていた、という事もありました。とにかく徹底的で迅速なんですよ、隠すのが。――だからあなたの言うように、警察が大きく関与している、というのもあながち信じられない話ではないようですね。

 

因みにですが、テレビでのそういった規制や、妖怪関係の出来事は常に曖昧にされ、よくわからない形で葬り去られています。そのことから、妖怪の事を知る少ない仲間達と僕の間ではそのような規制のことを「魍魎」と呼んでます。妖怪ですし、何しろ曖昧で、僕等としてもなんとも煮え切らない想いになりますからね。

妖怪の「魍魎」も、出自、意味、姿等が本当に曖昧で、漠然としてるんです。魑魅魍魎の言葉とも混同されますしね。

まさにそのような曖昧な事を何度も何度も繰り返すテレビは、「魍魎の筐」なんですが、京極夏彦という作家が「魍魎の匣」という小説を出してらっしゃいますよね? 最初、ドキリとしましたよ。僕等の間ではハコといえばテレビですから、もしやこれらの事を知って書かれた小説なのでは? とね。読んだらそういう内容ではなかったので安心しましたが。面白いですよ。

 

――そんなところでしょうかね。とにかく妖怪はいますし、それを隠そうとしてる組織もある。結論を言えばそういうことです。

もう一度だけ言いますが、くれぐれも誰にも言わないでくださいよ。