妖怪うぃき~現代にも現れる妖怪達~

妖怪……いるんですよ、現代にも。現代で起きた、妖怪達の目撃情報を紹介いたします。

放置しすぎて更新する気概も無いので、図鑑の方に統合し始めてます。過去の記事も一部図鑑へと移しているので、妖怪うぃき的妖怪図鑑の方へお越しくださいませ。

警察と妖怪 #2 「黒、赤、覚」

前回に続き、警察と妖怪との関わりを更に深く探っていきます。

 

過去の警察組織、特に謎に満ちている公安部の歴史を紐解いていった所、いくつかの資料で同じ「謎の呼称」が見つかりました。それらの「謎の呼称」は、一般人でも簡単に閲覧できてしまうような資料であるにも関わらず、他のどのような警察に関する文献でも触れられていないものでした。今回はその事について書かせて頂きます。

 

公安部は、第二次世界大戦で敗戦するまでは「特別高等警察」という秘密警察でした。この組織は現在の公安部と似たように、内務省直接の指示により動く組織で、民衆の間では「拷問でもなんでもする」と言われ、恐れられていたようです。

特高について調べていると、日本共産党の結成に伴い、それらを監視、抑制するための課が様々な道府県にも設置されていく過程が見てとれます。この際、隠語で共産主義のことを「アカ(赤)」と記載した文献が数多く見られるのですが、同じぐらいの頻度で、「黒」という謎の隠語が現れるのです。
この「黒」こそ、なぜか触れられていない謎の呼称であり、そうであるのに大変興味深い記述と共に現れることの多い「色」なのです。
私が最も興味を持った一例を挙げましょう。
1932年に書かれた、「特高禄第二十二編~情報操作等ゝ之記」という書類にある一文です。
 

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この文章の真ん中辺りに、こう書かれています。

「黒ヲ捕縛セントスレハ思ゝ明ゝトナリテ推進甚タシクナルトモ。但シ析班ノ見解不明瞭ニテ挫ス率相モ変ワラス」

黒を捕縛。思ゝ明ゝ。

これに似たような内容の記述が、この書類には至る所に見られます。

私がざっと読んだ部分をまとめれば、「黒」と呼ばれる何かは、人の考え等を読むことができる何かである可能性があり、特高はそれを必死に追いかけていることが窺えます。特高が「黒」を欲す理由は、読む限りでは「赤」、すなわち共産主義的動向に対する、秘密兵器のようなものであったようです。

 

次に私は「黒」と「思考の透視」について調べてみました。これは正に暗中模索な作業になりましたが、思考を透視という部分で関係していると思われる「覚」という妖怪を調べていて、ピンときたのです。

覚という妖怪は、中国の玃猿(かくえん)であるとも言われ、またその玃猿は様々な名前で呼ばれています。その内の一つに、「黒ん坊」というものがありました。

――それだけではただの偶然の繋がりに過ぎないのですが、特高のその資料には度々「黒」を探す為に岐阜県の山中に捜索隊を派遣していました。そして覚を「黒ん坊」と呼ぶのは、江戸時代の美濃、つまりは現在の岐阜県であったのです。

黒=覚。

特高は赤に対するべく、妖怪「覚」を探していたのではないか?

私は最早確信的に、特高と妖怪が繋がっていた可能性を見た気がしたのです。

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覚(さとり)

 

特高の記述を見ていると、妖怪を存在するかわからないナニカとしてではなく、確実に存在する生物として扱っていることがよくわかります。「黒」が妖怪覚であったのなら、という話ですが……。

 

「黒」に関する資料は、第二次世界大戦が終わり、特別高等警察が廃止されるのと同時にプッツリと途切れてしまいます。

そうして途絶えた特高の性質を濃く受け継いだ公安部が、妖怪との関わりをも引き継いでいる――そう考えるのは不自然ではないはずです。

特高以前の警察組織から得られた情報はありませんでしたが、少なくとも戦前の日本には妖怪と繋がりを持つ警察組織が存在していた(可能性が高い)事は今回の調査でわかりました。

次回は、また現代に戻り、警察がどのようにして妖怪を私達の目から隠しているのか、どうして妖怪の存在を隠そうとするのか、そういったことに触れたいと思っています。