妖怪うぃき~現代にも現れる妖怪達~

妖怪……いるんですよ、現代にも。現代で起きた、妖怪達の目撃情報を紹介いたします。

放置しすぎて更新する気概も無いので、図鑑の方に統合し始めてます。過去の記事も一部図鑑へと移しているので、妖怪うぃき的妖怪図鑑の方へお越しくださいませ。

キツネとタヌキの千年合戦

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こんにちは里中です。

今回は、僕が受ける相談や質問の中でも特に多い、「狸と狐」について、僕が分かる範囲でお答えしていきます。最後までお読みいただければ、あなたの狸と狐に対する見方も変わってくるかも知れません。なお、記事は解り易いようにQ&A方式で書き進めていきたいと思います。(Qは、実際に僕が受けた質問です)

 

 Q・狐と狸、どっちが最強?

 

A・狐も狸も、主に化ける事が得意です。つまりあまり「どちらが最強」という問いは相応しくないのですが、面白そうなので考えてみましょう。

まず狐。狐界のトップと言えば、玉藻前(たまものまえ)に化けていた九尾の狐でしょう。これは万年を生きた古狐が成るもので、いわば妖狐の最終形態。その霊力たるは神レベルで、国の転覆など思いのまま。これはもう化け物級に強いと思われます。あ、いや、化け物ですが。

一方の狸。こちらは四国は松山の隠神刑部狸(いぬがみぎょうぶだぬき)が有名です。別名を八百八(はっぴゃくや)狸といい、八百八匹の眷属たる狸を従えていたそうです。隠神刑部の神通力はすさまじいものだったと言います。

――さて、こう見るとどちらもなんだか曖昧な力量。そこで人間との戦いに焦点を合わせてみましょう。

九尾の狐は、最後に安部泰成を軍師とした討伐軍と戦い、息絶えます。しかし死後も祟りでもってたくさんの人間の命を奪ったようです。おそろしや。

狸の隠神刑部はというと、これまた人間の稲生武太夫という藩士によって、八百八の眷属もろとも封印されてしまいます。

ここで注目すべきは九尾の狐の死後の祟り。狸さんはそんなネチっこいことしませんでしたが、狐さんは人を殺す程の強い怨念を残した。

というわけで結論は、どっちが最強かは???。ただ、九尾の狐の方がちょっと怖い……です。

 

Q・化け上手なのはどっち?

 

A・これは古くから言われている言葉で、「狐七化け狸八化け」というものがあります。つまりこの言葉通りですと狸の方が化け上手ということになります。ただ、キツネとタヌキの変化の性質が少し違っているので厳密にはわからないとしか言えないでしょう。

タヌキは元来化けるのが大好きで、化けて人をおどかしては喜んでいます。好きというのは人間と一緒で非常に大事なことですから、それが上手さに繋がっているのかも知れません。

しかし狐も素晴らしい変化能力を持ちます。特にそれが発揮されるのは、人間を誘惑すべく美女に化けた時。九尾の狐を見てもわかるように、とにかくキツネは美人に化けるのが上手いです。これはタヌキとは違い、人を誘惑するために化けることが多かったキツネの特徴と言えるでしょう。

狐も狸も甲乙付けがたい程に化けるのが上手いからこそ、今日のような関係が成り立っているのです。どっちも上手いんです。

 

Q・なんで狐だけお稲荷さんとかって呼ばれて色んなとこで祀られてるの?

 

これはタヌキさんの前では大声で話せない話題です。

ものすごぉぉぉぉく複雑ですので、かいつまんでお話します。

まず、最初はキツネもタヌキも同程度に崇められていました。愛くるしい容貌のタヌキに、凛とした姿のキツネ。どちらにだって良さはあります。

しかし事態が一変したのは仏教なる異教がこの国に入ってきてから。信頼と実績のある仏教は瞬く間に広がり、我が国にも浸透していきました。さらに恐ろしいことに、仏教は神道を排除するのではなく、融和することで間口を広げようとするのです。

ここで目を付けられたのが稲荷神。稲荷神は元来、宇迦之御魂神(うかのみたま)を筆頭に、日本神話に出てくる穀物の神様等を祀ったものでした。そして、稲荷神は眷属として狐を従えていたのです。(つまり、神社等で見かけるお稲荷さんの狐は、狐自体を祀ったものではないのです。キツネは、使いに過ぎません)

仏教の融和作戦は巧妙でした。宗教では、「習合」ということがたびたび起きます。これは似たような特性を持つ異なる宗教の神様同士を、「同じ存在」として同一視してしまうことです。わずかに共通点のあった仏教の「荼枳尼」という神様が、なんと稲荷神と習合してしまったのです。

こうして二つの宗教間で同一の「狐」を祀る神が生まれ(細かく言えば神道では宇迦之御魂神を、仏教では荼枳尼天を)それは爆発的に広まって行きます。なぜ広まったのかというと、お稲荷さんは万能な神様であったからです。当然、異なる神様同士のいいところを集めれば、ご利益も多肢に渡ります。「とりあえず祀っとけばおk!」な神様になったわけです。神道と仏教の両方を抑えた神がこの国で最も流行るのは当然のことです。

実は、ここまで稲荷信仰が広まった要因の一つに、「日本人の信仰心の無さ」も関係していることもあるという事実を覚えておかねばならないでしょう。流行りで信仰を変える性質は古来からのモノなので仕方ないと言えば仕方ないのですが……。一つの事実として、お参りしたお稲荷さんが何を祀っているのか解っていない方は多いのではないでしょうか?

兎にも角にも狐にも狸にも、このようにしてビッグウェーブに乗ったキツネは何万という社においてドヤ顔で鎮座する超展開を成し遂げたわけです。

質問に答えるとするならば――運が良かった――んですね。

 

Q・蕎麦やうどんのたぬき、きつねってどういう由来?

 

A・妖怪関係無いのですが最後なので答えます。

きつねに関しては、油揚げが乗っているからで問題無いと思います。因みに、きつねと油揚げが関係しだしたのはもちろんお稲荷さんのお蔭です。稲荷神へのお供え物が狐の好物の油揚げであったことから、油揚げを使った料理に「稲荷」の名が付くようになったんですね。

ではたぬきは? これは諸説あるようですが、僕が思うに「たぬき」になる理由であればなんでも良かったのではないでしょうか? 例えばタネの無い天かすを乗せるので、タネ抜きで「たぬき」である――等々、なんだかなんとでも言えそうなものが多いのです。きつねうどん等が元々あり、それに合わせてどうしても「たぬき」と呼ばせたかった人々の後付け、それが僕の解釈です。

 

 

――と、いうわけでタヌキとキツネの質問にざっと答えました。

異論等あるでしょうが、あくまでも僕の解釈ですのでご容赦を。

また、稲荷信仰に関しては本当に奥が深く、ややこしいのでさらに詳しく知りたい場合は根性で調べてみると面白いかと思います。

 

都会ではすっかりレアな動物になってしまった狸と狐。

しかし今この瞬間も、どこかで誰かを化かし、脅かしているかも知れないのです。

特に男性のあなた!!

あなたの惚れた美人な女性……キツネかも知れませんよ。