妖怪うぃき~現代にも現れる妖怪達~

妖怪……いるんですよ、現代にも。現代で起きた、妖怪達の目撃情報を紹介いたします。

放置しすぎて更新する気概も無いので、図鑑の方に統合し始めてます。過去の記事も一部図鑑へと移しているので、妖怪うぃき的妖怪図鑑の方へお越しくださいませ。

岸涯小僧に蹴りをプレゼントした俺は大丈夫か?

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岸涯小僧(がんぎこぞう)

 

おっす。おらタカシ。

やってみたかったんだ。ほっとけよ。

 

いきなりだけど、どうやら俺、すげぇ色んな妖怪に憑りつかれてるらしいんだよな。

最近ウサンクサイ霊媒師かなんかに、彼女の紹介で無理やり会わせられたんだけど、そん時に言われたんだよ。普通だったら「妖怪? はぁ?」ってなもんだよな。

でもな、俺は昔っから普通に妖怪が見えちゃうんだよ。ほんと普通に。俺の彼女も今では信じてくれるけど、昔は全く信じてくれなかったな。そりゃそうか。

そんな俺だから、彼女がなんとしてでも一回そういう霊だの魂だのに詳しい人に見てもらいたがってたわけだ。

 

「あなたには数えきれない程の妖怪が憑いています。心当たりもあるのでしょう?」

なんて、その霊媒師だかには言われたんだけど、「さぁ」って言ったよ。

でもな、めちゃくちゃ心当たりあるんだよなwww

その霊媒師曰く、とにかく憑いた妖怪を落とすには色んな人にその妖怪を認知させることが重要らしいんだ。詳しく教えてくんなかったけど、妖怪ってのは認知されるのを嫌うんだとか。だから河童とかダイダラボッチみたいに超有名な妖怪はめったに人に憑いたりしないらしい。ウソかホントかは知らんけど。

別に妖怪に憑かれてたってどうでもいいんだけど、日に日に肩のコリが酷くなってるのをそいつらのせいだとしてしまえば、無視するわけにもいかないような気がしてきちゃってさ。だから、こんな所ではあるけどちょいちょい気が向いたら懺悔してくことにしたんだわ。

 

ちなみに、初めて妖怪っていう妖怪に遭ったのは小学校の時だったかな。

多分だけど、今さっき調べてみたら「岸涯小僧」って妖怪が一番近いと思う。いいか、ちゃんと覚えてくれよ。俺の肩こり解消のためにもな。

俺は小学校の頃釣りにハマっててな。よく川行ってウグイとか釣ってたんだよ。今じゃあすっかり川も汚れて、コイとか食えねぇフナとかしか釣れなくなっちゃったけど、ウグイって好きだったんだよな。名前も可愛いだろ?

餌にはミミズを使ってたな。ウグイが好きか知らんけど、ミミズで釣るとやけにデカイウグイが釣れやすかった気がしてさ。女の子には奨めらんないけど、ミミズの頭(ケツかも)から針をぶしゅうって刺して、上手く針から外れないようにするんだ。黄色い液が出るんだけど、ニオイとか、その液とか、慣れてくると「今日も釣るぞぉ!」っていう、始まりの匂いになってきちゃうから不思議だよな。

釣りって本当に面白いぞ。餌を付けて竿振って、後は川の流れに任せて竿先をウキの方へ向けとくんだ。ツン、ツン、なんてウキが引っ張られてな、まだまだ、まだまだって念じて堪えるんだよ。で、ウキがクイって沈んだら、竿を一気に引く。引くっていうか、ウキの下の針にかかった魚に引っかける、って感じだな。もうすげぇ興奮するんだよ。ギャンブルとは違うんだよな。でも似てると思う。雄大な自然、川の音、見えないけれどそこにいるはずの魚(いない場合もあるけどなw)、それら全てが絶妙に合わさって作られる興奮。やんなきゃわかんねーよな。

――で、うまく食らいついた魚を逃がさないように竿を操って、最後には一気に引き上げる。興奮の絶頂だよ。な・の・に、だ。釣れたのが魚じゃなかったらどうする? ゴミとかって意味じゃないぞ。妖怪だったらどうする?

当然ムカツクよな。

俺が釣っちゃった妖怪な、河童とも違うし、猿とも違うし……。でもなんか毛だらけで、家に持って帰ったって絶対母ちゃんが喜びそうもないキモさだったんだよ。大きさはそんなに無い(デカイ鯉ぐらい)んだけど、足もあるし手もあるし、食えるって教えられたって食いたくないようなヤツだったんだ。

その妖怪が図々しいのは、釣られたばっかだっていうのに、自分で針を外して、俺がそれまでに釣ってた魚を食いやがったんだよ。小学生だった俺にだって、そんなことが許されるわけはないのは解った。だから思い切り本気で石を投げまくってやったんだ。触るのはキモくてやだったからな。

そん時はそれで川の中へ逃げてったんだけど――それから何回も釣れやがるんだよ。

いつもいつも、「うわ! 大物か!?」って、小学生の俺がときめいてたんだぜ? でも釣り上げたらザバァーってキモい妖怪。またお前か、だよな。

でもな、俺だって優しい時もある。いい加減釣れ過ぎるから、げんなりしちゃって魚をあげまくったりもしたんだよ。そりゃもう嬉しそうに食うんだよ、そいつ。なんだかちょっと可愛く思えてきちゃってな。

ある日、俺は家の台所からサンマを盗んで川へ持ってったんだよ。もちろん、その妖怪にあげるためにな。普段釣ってるようなコモノじゃないから、さぞ妖怪も喜ぶと思ってな。そしたらその日はな、なぜか妖怪の野郎、釣られもしないのに川から顔出して待ってたんだよ。可愛いよな。

俺は手招きして、「今日はもっとうめぇもんあるぞ!」って言ったんだ。妖怪は嬉しそうに近づいて来て、毛だらけの体をザバァって川から出して歩いてきたんだ。

待ってましたとばかりに俺は籠に隠しておいたサンマを妖怪に見せてやったんだよ。

そしたら妖怪のやつ、顔を顰めやがった。しかも食わねぇの。

キレたね。

子供ながらにかなり傷ついて激昂しちゃったからあんまり覚えてないんだけど、多分

「好き嫌いしちゃイケナイんだぞぉ!」

とか言いながら妖怪の顔面を蹴とばしたと思う。

俺はマジで悪くないだろ? 好き嫌いの前に、あんだけ図々しくしておきながら社交辞令のシャの字も知らん妖怪が悪い。

 

それっきりその妖怪は出なくなったな。

多分、大人になった俺の肩のどっかに、その妖怪「岸涯小僧」も憑いてんだと思う。

あー。でも今思い出しながら書いたけど、やっぱ俺悪くねぇや。もし霊媒師が言った俺に憑いてる妖怪の中に岸涯小僧もいるんだったら、いい加減にしろって言いたいね。図々しいにも程があるわ。

 

懺悔ってこんなんでいいのか? 反省できなかったけどw

とにかく岸涯小僧さん。まだ俺に憑いてるならとっとと大人になって消えてくださいお願いします。