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妖怪うぃき~現代にも現れる妖怪達~

妖怪……いるんですよ、現代にも。現代で起きた、妖怪達の目撃情報を紹介いたします。

放置しすぎて更新する気概も無いので、図鑑の方に統合し始めてます。過去の記事も一部図鑑へと移しているので、妖怪うぃき的妖怪図鑑の方へお越しくださいませ。

なんか妖怪のせいで一家が崩壊したっぽいので暴露する「ゲドウ」

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ゲド/ゲドウ

 

結果から言う。父ちゃんどっかに逃亡、母ちゃん頭おかしくなって入院、姉ちゃん駆け落ち、俺だけ一人ぼっち。

全部が全部妖怪のせいだって言うつもりはないけど、絶対妖怪もこの件には関係してる。間違いなく。

これって絶対口外しちゃいけないことらしいけど、そう言ってた父ちゃんはどっかに逃げたから暴露するわ。思いつくままに書いてこうと思う。

 

俺の家は、結構裕福だったと思う。建て売りだったらしいけど、かなりキレイな家に住んでるし、父ちゃんはデザイナー(みたいなもん)だし、頻繁に高給な料理屋に外食しに行ってた。

ただ、小さい頃から小さな茶色い、口だけがやけにデカイネズミみたいなのが家の至る所に出て、それだけはちょっとやだった。

俺が高校に入った頃、夕飯の時に珍しく父ちゃんも早く帰ってて、一家四人揃ったんだけど、その時もキッチン内にそのクチデカネズミが出た。

で、そん時、父ちゃんがかなり真剣な顔で俺に語ったのがこんな感じの話↓

「あのな、いつかはちゃんと話とか無きゃいけないと思ってたんだが、お前も高校生になったし、そろそろ頃合いだと思うから話しとく。昔っからいるあの動物、実は妖怪なんだ」

俺、大爆笑。妖怪wwwwww

そんな唐突なネタ面白すぎるwww

姉ちゃんもさぞ笑ってると思ったら、なんと姉ちゃん俺の事めっちゃ睨んでる。

それで姉ちゃん、「いいからちゃんと聞きなさい」だって。

姉ちゃんはどうやら聞かされてたんだよな。

「笑うのも無理ないな。ただまぁ……ちょっと聞いてくれ。あれはな、ゲドウっていう妖怪なんだ。憑き物の一種だとも言われてる。父さん達が生まれるもっと前から存在してて、人に憑いてはその住処を広げてきたみたいなんだ。ゲドウはな、結婚した時に付いてくる。そうやって新しい宿主へと転々としていくんだな。これは実は母さんの家系に憑いてた妖怪でな――」

父ちゃん、そこで母ちゃんをチラっと見たんだ。で、俺も見たんだけど、母ちゃん泣いてんのw

まぁそれを見て俺ももはや笑えなくなっちゃったんだけど。

「――別に害があるわけじゃないんだ。な? お前もそれはよく知ってるだろ? ただ、できれば友達だとかには言わないで欲しいんだ。いや、絶対に言わないで欲しい。子供のお前にこんなお願いをするのはおかしいかも知れないが、憑き物だとかっていう噂はどんな形であれ広まっていいことなんて一つもない。仮にその憑き物が無害でもだ。俺は当然知ってて母さんと結婚した。その秘密を共有し、一緒に背負っていく覚悟を決めたんだ。だからお前たちにも――」

妖怪と暮らす、っていう覚悟を決めろってか?

その時は俺もいまいちちゃんと理解できなかったし、「わかった」とかって言っちゃったんだ。でもさ、その妖怪の名前、「ゲドウ」だぜ? いい予感なんてしないよな。

 

因みに、俺の家に誰かが遊びに来たりしたときは、感心しちゃうぐらいゲドウは出てこなかった。なんだかその辺の按配は確かに妖怪なのかもな、なんて思っちゃう感じだった。ただ正直に言えば、過去に友達に「俺んち変なネズミ出るぜ」って言った事は何度もあった。だってさ、そりゃ他の友達の家にいないって知ったら、言いたくなるだろ? 父ちゃんの話聞いてからは言わなくなったけどね。

 

俺がまずしたこと。それは、調べること。

「妖怪だね、うん」なんて簡単に思える程俺の頭はファンタジーじゃないからな。

とりあえずゲドウが出たら、捕まえようとしてみた。けど、なぜか絶対に捕まえられない。思い返してみれば、そういえば小さい頃から一度もゲドウに触ったことは無かったんだ。

で、更に色々観察したら、すごいことに気付いちゃった。

臭いがしない。音がしない。

どう見たって臭そうなのに、そういえば臭いが全くない。ほんの少し動物的なニオイがしたっていいものなんだけど……。

鳴き声は、なんか苦しがってるおっさんみたいに鳴くんだけど、足音とか、物音とかが皆無。これは気付いた時鳥肌立った。あれ? コイツマジに妖怪? って思い始めたのはこの二つに気づいてから。

あと登場する場所がフリーダム過ぎる。いきなり俺の部屋のベッドの下からコンニチワしたりする。絶対にソイツが通れそうな隙間なんて無いのに。

 

そんなこんなでゲドウについて調べてたある日。これは多分大きな転換点になっちゃったんだけど、いつものように俺の部屋にチョコンと出てきやがったから、いつものようになんとなく触ろうとしてみたんだ。そしたら――触れちゃったんだ。

今でも鮮明に覚えてるけど、触れちゃって俺がビックリしてる時、ゲドウがその大きな口をにやぁって開いて笑ったんだよ。すんげぇ怖かった。

 

……あ。てか、もしかしたら一家崩壊したの俺のせいかも。

ゲドウに触った次の日、父ちゃんの借金が発覚したんだったわ。たしか俺が彼女できたてだったから……高三の冬かな。

父ちゃんの借金、額が半端じゃなくて、なんでも資産運用のつもりで株みたいなのに手を出して大散財したんだと。

そっからはすごかった。

母ちゃんブチギレ、毎晩大ゲンカ。父ちゃん逆ギレ、そもそもゲドウなんか憑いてたお前が悪いとか言い出す。

母ちゃんそんなこと言われて発狂気味になって、一回家出。父ちゃんムキになって「借金なんて簡単に返せるぜ!」って今度はFX始める。姉ちゃん呆れて彼氏んちから帰ってこなくなる。

 

そんなこんなが一年ぐらい続いて、俺が浪人してる時に父ちゃん失踪、母ちゃん入院、姉ちゃん駆け落ち、そしてナウ、みたいな。

今は家に父ちゃんのお母さん、つまり俺の婆ちゃんが世話しに来てくれてなんとかなってる感じ。俺の婆ちゃん、こんなこと言ってた。

「ゲドウっていうのは、宿主の運が尽きた瞬間、一気に滅ぼしにかかってくる。それもちゃんと息子には言ったんだけどねぇ……。愛があるから大丈夫とかなんとかって押し切られちゃって。舐めてかかるから罰があたったんだ」

とかって泣きながら語ってた。

因みにだけど、今現在、この家にはゲドウがめちゃくちゃいっぱいいる。

まるであざ笑うかのように、いろんなところから二人っきりになっちゃった俺と婆ちゃんを見てる。これ書いてる今も、にやにやしながら俺のこと天井に張りついて見てる。

 

ぶっちゃけ、俺ももう限界。耐えられるわけねぇよな。

これ書き終えたらこの家から逃げるつもり。一応、高三の時から付き合ってる彼女はまだいるから、そいつとどっか行こうと思ってる。

あとはただひたすら、ゲドウが付いてこないことを祈る。婆ちゃんマジごめん。

読んでくれてありがとう。そしてあばよ!